山門新築工事

欅材

自然乾燥

何百年と年月をかけ成長した欅(ケヤキ)の木を伐採後、丸太のまま室外で皮がはがれるまで乾燥させ、その後ある程度の角材にし、さらに室内で何十年と乾燥させるという昔ながらの欅の自然乾燥方法。時間をかけ乾燥させるため表面は砂ぼこりなどにより変色し、ある程度の割れや曲りが出来た状態です。木はどうしても割れや曲りが出てしまうため、ある程度施工前に木自体の動きを出させてあげた状態です。こうしてようやく建材として使用できるようになります。

小屋組み

本瓦葺き(ほんがわらぶき)による屋根葺きの使用のため、瓦重量を考慮し化粧垂木を力垂木とし、さらに小屋内部の構造も桔木(はねぎ)を正面、裏と一体にし小屋組み内の強度を上げています。

桁下

土台のない形状の為,礎石に柱が座る状態です。脇塀には土台が取り付いていますので、現代の技術として基礎との一体化はしております。
柱は貫、頭貫、虹梁(こうりょう)冠木(かぶき)で組むことにより一体化させ体力を持たせ、屋根は大きく見せるため桁を広げられる工法の出組により全体の建物の調和をとっています。

技術として

破風板の納として,近年では現代の技術でもある金物を使用する傾向が多いですが、蟻桟(ありざん)による破風板の捻じれを抑える吸付き桟とし、「鯱栓」シャチセン(笄栓コウガイセン)により破風板の納めとしております。
栓(せん)にする事によりその時々の湿度、気候により木の収縮状態で破風板の拝み部分が空かない様考えられた工法です。

瓦葺き

屋根葺きとして本瓦葺きを行っています。
以前は土を載せ瓦を納めていましたが、近年は防水についての素材も良くなり、屋根部を軽く施工できるよう良い工法が考えられています。また地震時にも瓦が落ちないよう新しい技術も採用しております。

瓦座

瓦座を漆喰塗りではなく無垢材を。
型を取るという面ではどうしても瓦の割込みをきちんとし、瓦の形状を型取りしなくてはならないのでとても大変な作業です。しかし、出来上がると漆喰が落ちてしまうなどのメンテナンスもなく、納まりとしてもとてもきれいです。

山門完成

四脚門 

〇 一間一戸(主柱2本控柱4本)
〇 屋根形状 切妻造
〇 屋根   本瓦葺き
〇 仕様材  欅、ひのき、杉、松